パルシステム東京が、都内各地で開催しているピース・カフェ。
国際協力活動をしているNGOの方からお話をうかがったり、
参加者みんなで平和について語り合ったり、
そんなステキなカフェなんです
8月6日は、広島の原爆の日。
パルぷらす@たつみが開いたピース・カフェでは、
この日にちなんだ映画、『千羽鶴』を上映しました。
広島平和記念公園に建てられている「原爆の子の像」。
モデルになったのは、戦後10年経って白血病で亡くなった、
当時11歳の佐々木禎子ちゃん。
回復への願いをこめて、彼女が病室で折り始めたツルが、
その後、「平和への祈り」のシンボルとして、
世界中に広まっていきました。
「サダコ」の名前は海外でも、広く知られています。
そのサダコちゃんの実話をもとに、
1956年に制作されたのが、映画『千羽鶴』です。
この映画を観たあとで、平和について思いを馳せながら
みなで折鶴を折りましょう―そんな企画でした。
ちょうど夏休みの真っ只中。
お出かけしている人たちも多いのか、
この日、カフェにいらしたのは、
江東区からのお母さんと小学2年の女の子、
それに下の2歳の男の子というひと家族だけでしたが、
スタッフも一緒になって、とても豊かな時間を過ごさせていただきました
このイベントに参加したいと言い出したのは、
小学2年生のNちゃん。
Nちゃんが幼稚園時代、一家はアメリカに住んでいました。
アメリカが大好きなNちゃん。
アメリカでは、いろいろな人たちから
いろいろなことをしてもらいました。
アメリカには、良い思い出しかありません。
でも、その大好きなアメリカが、
原爆を落としたのだと聞きました。
「なぜ?」―Nちゃんの中に、
大きな疑問が生まれます。
「原爆って、どういうもの?」
それが知りたくてNちゃんは、
この日、ひろばに来てくれました。
『千羽鶴』は、原爆のありさまそのものを
描いた映画ではありません。
そういう意味では、もしかしたらこの日のカフェは、
Nちゃんの期待に添えないところも、あったかもしれません。
でも、ゆったりしたテンポで進んでいく、
実話を基にしたこの古いモノクロ映画が、
Nちゃんの体と心の奥底に沈み、
未来に漕ぎ出していくNちゃんにいつか、
確かなさざ波を立ててくれるのだろうと思います。
「広島には、絶対、行ってみたい!
原爆ドームが見てみたいから」
そんなNちゃんの希望を受けて、
一家はこの秋、広島旅行を計画しています。
「ホロコーストについては、知ってるよ。
図書館で本を見て、読んでみたの。
怖かった…」
9.11の年に生まれたNちゃん。
グラウンド・ゼロにも、ご家族で行かれたそうです。
Nちゃんと、弟のTちゃん。
これからふたりが生きる21世紀、
世界はどこに向かっていくのでしょうか?